自分で処分する
- 依頼先
- 市町村の粗大ごみ受付、クリーンセンターへの持込
- 向いている場合
- 量が少ない、近くに住んでいる、運べる車がある
- 分別・搬出・運搬に何日もかかります。遠方からでは、通う回数も増えます。
- 大きな家具や家電、庭の物置などは、自分で運び出すのが難しい物です。
- 途中で手が止まり、結局は業者に頼むことになる例も少なくありません。
- 市の資源再生センターなどへ大量に持ち込む場合は、量に制限があることがあります。事前に確認が必要です。
住む人のいなくなった家を、どうするか。
何から始め、何を確認すればよいのか。相続と家財整理の進め方を、行政書士の知識をもとにお伝えします。
実家整理の進め方を見る家財の買取・片付けは、ウッド・ライフへメールで相談できます。
こんなお悩みはありませんか
家を相続したけれど、住む予定がない。
親の荷物がそのままで、手を付けられない。
兄弟姉妹で、何を引き継ぐか決まっていない。
遠方に住んでいて、何度も長野へ通えない。
売却や解体の前に、家の中を整理したい。
実家整理の道しるべ
期限のある手続きを先に確認し、
家と家財のこれからを、順番に考えていきましょう。
遺言書と相続人、財産を確認。
相続放棄は原則3か月以内。
相続税の申告が必要なら、
原則10か月以内に行います。
この家に、また住む人はいるか。
管理を続けられるか、手放すか。
家族それぞれの思いを聞きながら、
これからの家の姿を考えます。
売る・貸す・解体するときは、
家財の整理が必要になることも。
処分・廃棄には、運搬や人手などで
予想以上の費用がかかります。
すべての手続きが終わる前でも、片付けの方法や費用は相談できます。
実際の売却・処分は、権限や関係者の意向を確認してから進めましょう。
片付けを始める前に
家財の売却や処分は、相続の状況によっては
後から問題になることがあります。
片付けの前に知っておきたい法律上の流れを、
8つのステップでご案内します。
いずれも原則の期限です。いつから数えるかは、手続きによって異なります。
遺言書がある場合は、原則としてその内容に沿って財産を引き継ぎます。公正証書遺言は公証役場で、法務局に預けられた自筆証書遺言は法務局で、保管の有無を確認できます。
自宅などで見つかった自筆の遺言書は、家庭裁判所で「検認」を受ける必要があり、封のある物は家庭裁判所で開封します。片付けの途中で見つかることもあるため、書類や手紙はすぐに捨てずに保管しましょう。
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本などを集め、相続人を確定します。法務局の「法定相続情報証明制度」を利用すると、その後の手続きで戸籍の束を何度も提出する手間を減らせます。相続人に未成年者や判断能力が低下した方がいる場合は、別の手続きが必要になることがあります。
法務局:法定相続情報証明制度 ↗不動産、預貯金、株式などのほか、家具・貴金属・骨董品といった家財も相続財産です。不動産は、固定資産税の課税明細書や市町村の名寄帳で確認できます。家の中の物の確認方法は、「03 家財の整理を始める」でご案内しています。
借金やローン、未払いの税金や医療費も相続の対象です。亡くなった方が連帯保証人だった場合は、原則としてその保証債務も引き継ぎます。借入れは、通帳の引落しや郵便物のほか、信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)への開示請求で調べられます。
借入れが多い場合などは、相続放棄や、プラスの財産の範囲で借入れを引き継ぐ限定承認(相続人全員で行います)を検討します。申述は、原則として相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ。間に合わない場合は、期間の伸長を申し立てられます。
家財の売却・処分だけでなく、家にあった現金や預貯金を使うことも単純承認とみなされ、相続放棄ができなくなる場合があります。家財を動かす前に弁護士などへ確認しましょう。放棄しても、実家を実際に占有している場合は、ほかの相続人などへ引き渡すまで保存する義務があります。
遺言書がない場合などは、相続人全員で話し合い(遺産分割協議)、誰が何を引き継ぐかを決めます。合意内容は遺産分割協議書にまとめ、預金の解約や相続登記などに使います。
ほかの相続人の同意なく、売却・処分することは避けましょう。話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の調停を利用できます。
遺産の額(課税価格の合計額)が基礎控除額「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超える場合は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に申告が必要です。亡くなった方に一定の所得があった場合は、4か月以内に所得税の準確定申告も行います。
自宅の土地の評価額を最大80%減らせる「小規模宅地等の特例」は、適用により税額がゼロになる場合も申告が必要です。判断に迷う場合は、税務署や税理士に確認しましょう。
不動産を相続で取得したことを知った日から、原則3年以内に相続登記を申請する義務があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。2024年4月1日より前の相続も対象で、原則2027年3月31日までに申請が必要です。
遺産分割がまとまらない場合は、自分が相続人であることを申し出る「相続人申告登記」で、ひとまず義務を果たせます。分割が成立したら、その日から3年以内に内容に沿った登記を申請します。
相続放棄後の保存義務、借入れや不動産の調べ方は、補足資料で詳しくご案内しています。
本ガイドは一般的な進め方のご案内です。相続放棄や相続人間の争いは弁護士、登記は司法書士や法務局、税金は税理士や税務署など、それぞれの専門窓口をご利用ください。
※制度の内容や期限は、個別の事情により異なる場合があります。掲載情報の確認日:2026年9月17日。
家のこれからを考える
どの方法を選ぶかで、必要な手続きや
家財の整理の範囲、費用が変わります。
まずは家族で、選択肢を並べてみましょう。
家族の誰かが住み、家を使い続けます。
家を売却し、代金を引き継ぎます。
賃貸に出し、家を活用します。
建物を取り壊し、土地として活用・売却します。
すぐに決めず、空き家として保有します。
相続放棄や、国への引渡しを検討します。
建物滅失登記、定期借家契約、家賃収入の申告、空き家特例、解体の補助は、補足資料で詳しくご案内しています。
国税庁:被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例 ↗法務省:相続土地国庫帰属制度 ↗国土交通省:改正空家法 ↗
※税の特例や各制度には細かな要件があります。個別の判断は、税務署・税理士、法務局などにご確認ください。掲載情報の確認日:2026年9月17日。
家財の整理を始める
家中をすべて片付ける必要はありません。
まず、どの場面でどこまで整理が必要かを知り、
次に費用の見通しを立てましょう。

不動産会社や買主と、どこまで撤去するかを決めます。家財を残したまま引き渡せる場合もあります。
原則としてすべて撤去します。あわせて設備の修繕も必要になります。
すべて搬出します。家財を残したまま解体すると、費用が上がりやすくなります。
使い続ける物を残し、使わない物を整理します。
全部でなくて構いません。書類や貴重品、傷みやすい物から手を付けます。
方針がまだ決まらない場合でも、書類や貴重品の確認と、傷みやすい物の整理は先に進められます。
家財も相続財産です。処分してよいかどうかは、相続の状況によって変わります。

書類・貴重品・写真の確認と保管/傷みやすい物や危険な物の片付け/買取の可否や費用の見積り(見てもらうだけなら処分にはあたりません)
相続放棄や遺産分割など、判断の詳しい内容は「01 相続の状況と期限」をご確認ください。相続税の申告が必要な場合、家財も申告の対象です。処分の前に写真やリストを残しておくと安心です。
不用品は、買取業者に買取を依頼することで、片付け費用の軽減につなげることができます。
処分費用は、売れる物があれば減らせます。捨てる前に、買取業者に見てもらうことを検討しましょう。
片付け・買取の相談先
ウッド・ライフ株式会社は、当事務所の行政書士・青山哲史が社外取締役を務める、家財の買取・片付けを行う会社です。行政書士の視点から法令に沿った運営に取り組み、買取・引き取り・処分の内容を確認したうえで、費用や対応方法を分かりやすくご説明します。
相続の手続きが終わる前でも、方法や費用の確認はできます。安心してご検討ください。
相談の流れ
家財のある地域、品物のおおよその量、希望時期をお知らせください。分かる範囲で構いません。
ウッド・ライフの担当者から、メールまたはお電話でご連絡します。進め方や、追加で確認したいことをご案内します。
必要な場合は、担当者が現地で家財の量や搬出の状況を確認します。片付けの費用も現地を見て決め、内容と費用にご納得いただいてからご依頼ください。
メール相談は無料です。送信だけで訪問・買取・片付けの依頼が確定することはありません。
無料メール相談
家財の買取・片付け専用の窓口です。
個別の登記・税務・紛争の相談は、各専門窓口をご利用ください。
補足資料
本文で書ききれなかった手続きや制度の詳しい内容です。
いずれも一般的な内容のため、個別の判断は各専門窓口にご確認ください。
相続放棄をした人が、放棄の時に実家などの相続財産を現に占有している場合は、ほかの相続人または相続財産清算人に引き渡すまで、自分の財産と同じ注意をもって保存する義務があります(民法940条、2023年4月1日施行の改正)。
相続人が誰もいなくなった場合は、家庭裁判所が利害関係人などの請求により「相続財産清算人」を選任します。
CIC・JICC(日本信用情報機構)・全国銀行個人信用情報センターの3機関は、いずれも法定相続人からの、亡くなった方の信用情報の開示申込みを郵送で受け付けています(JICCは2親等以内の血族も可)。戸籍謄本などの書類と手数料が必要です。
分かるのは各機関に加盟する金融機関などとの取引です。知人からの借入れなどは、通帳や郵便物で確認しましょう。
名寄帳は、市町村が固定資産課税台帳をもとに、所有者ごとに土地・家屋をまとめた帳簿です(地方税法387条)。相続人も、戸籍謄本や法定相続情報一覧図と本人確認書類があれば、写しの交付を請求できます。
名寄帳は市町村ごとです。ほかの市町村にある不動産は、その市町村に請求します。長野市の手数料は、1納税義務者1年度分につき300円です。
建物を取り壊したときは、登記名義人などが、取り壊した日から1か月以内に建物滅失登記を申請する義務があります。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象です(不動産登記法57条・164条)。
通常の賃貸借は、貸主に正当な事由がなければ更新を拒めません。定期借家契約は、期間が満了すると更新されずに終了する契約です。
書面(電子契約も可)で契約し、契約の前に「更新がなく、期間満了で終了する」ことを書面で説明する必要があります。説明をしないと、更新がない定めは無効になります。期間が1年以上なら、満了の1年前から6か月前までに終了の通知も必要です(借地借家法38条)。
家賃収入から必要経費を差し引いた額が不動産所得です。会社員など給与所得者でも、給与以外の所得の合計が年20万円を超える場合は、確定申告が必要です。
相続した空き家を売ったときに譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例は、相続の時から売却の時まで、事業・貸付け・居住に使っていないことが要件です。いったん貸すと、この特例は使えません。
ほかにも、昭和56年5月31日以前の建築であること、売却代金が1億円以下であること、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却であることなどの要件があります。2024年1月1日以後の売却で、相続などで取得した相続人が3人以上の場合は、控除は2,000万円までです。
長野市の「老朽危険空き家の解体工事補助金」は、補助対象経費の2分の1(上限100万円。条件により上乗せあり)です。交付決定の後に着手する工事に限られ、工事契約後や解体後の申請は対象外です。事前調査の申請も必要です。
家財や残置物の処理費は、補助の対象になりません。令和8年度分は予算上限に達して受付を終了しており、令和9年度分は令和9年3月ごろに案内される予定です。ほかの市町村の制度は、各市町村にご確認ください。
※掲載情報の確認日:2026年9月19日。制度の内容は変わることがあります。